子供が「目が痛い」「まぶたが腫れている」と訴えたり、しきりに目をこすったりしている場合、「ものもらい」かもしれません。子供のものもらいには、主に麦粒腫と霰粒腫の2種類があり、それぞれ症状の現れ方や特徴が少し異なります。これらの違いを理解しておくことは、早期発見や適切な対応につながります。まず、麦粒腫の主な症状は、まぶたの一部が赤く腫れ、ズキズキとした痛みや、押すと痛む圧痛です。まぶたの縁が赤くなったり、まつ毛の生え際に小さな膿の点ができたりすることもあります。目やにが増えたり、目がゴロゴロしたりといった不快感を伴うこともあります。症状は比較的急激に現れ、数日でピークを迎えることが多いです。一方、霰粒腫の主な症状は、まぶたの中にできるコリコリとしたしこりです。麦粒腫のような急性の炎症や強い痛みは通常伴いませんが、しこりが大きくなると、まぶたが腫れぼったく感じたり、異物感を覚えたりすることがあります。また、しこりが眼球を圧迫して、一時的に視力に影響が出ることも稀にあります。赤みや痛みは少ないものの、見た目の変化が気になることが多いでしょう。ただし、霰粒腫に細菌が感染して炎症を起こす「急性霰粒腫」の場合は、麦粒腫と非常によく似た症状(赤み、腫れ、痛み)が現れます。見分け方のポイントとしては、まず痛みの有無と強さです。強い痛みを伴い、赤く腫れている場合は麦粒腫の可能性が高いです。一方、痛みはほとんどなく、しこりが主な症状であれば霰粒腫が疑われます。また、症状の進行の速さも参考になります。麦粒腫は比較的急速に症状が悪化し、数日で膿がたまることが多いのに対し、霰粒腫はゆっくりと時間をかけてしこりが大きくなる傾向があります。しかし、これらの症状だけで自己判断するのは難しいため、子供のまぶたに異常が見られたら、必ず眼科を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。