溶連菌感染症による発疹（猩紅熱）やその他の症状が現れた場合、適切な治療を行うことが非常に重要です。溶連菌感染症は細菌感染症であるため、治療の基本は抗菌薬（抗生物質）の投与となります。抗菌薬を使用することで、症状の早期改善、感染期間の短縮、そして最も重要な合併症の予防効果が期待できます。溶連菌感染症の治療に用いられる代表的な抗菌薬は、ペニシリン系薬剤（アモキシシリンなど）やセフェム系薬剤です。これらの薬剤は、溶連菌に対して高い効果を示します。医師は、患者さんの年齢や体重、症状の程度、アレルギー歴などを考慮して、適切な種類の抗菌薬と投与量、投与期間を決定します。抗菌薬の服用を開始すると、通常1～2日程度で熱が下がり、喉の痛みや発疹といった症状も徐々に改善していきます。しかし、ここで注意が必要なのは、症状が改善したからといって、自己判断で抗菌薬の服用を中止してはいけないということです。処方された抗菌薬は、必ず指示された期間、最後まで飲み切ることが非常に重要です。途中で服用をやめてしまうと、生き残った溶連菌が再び増殖し、症状が再燃したり、耐性菌を生み出す原因になったりする可能性があります。さらに、溶連菌感染症の怖い合併症である「リウマチ熱」や「急性糸球体腎炎」を予防するためにも、確実に菌を叩くことが不可欠です。抗菌薬による治療と並行して、発熱や喉の痛み、かゆみといった症状を和らげるための対症療法も行われます。解熱鎮痛剤や、かゆみ止めの内服薬・塗り薬などが処方されることがあります。十分な休息と水分補給、栄養のある食事も、早期回復のためには大切です。医師の指示に従い、適切な治療とケアを行うことで、溶連菌感染症は確実に治癒し、合併症のリスクも最小限に抑えることができます。