骨粗鬆症とは?骨がもろくなるメカニズム
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、骨の量が減少し、骨の質も劣化することで、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。まるで鬆(す)が入った大根のように、骨の中がスカスカになってしまう状態をイメージすると分かりやすいかもしれません。私たちの骨は、常に新陳代謝を繰り返しており、古い骨が壊され(骨吸収)、新しい骨が作られる(骨形成)というサイクルによって、その強度が保たれています。この骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨吸収のスピードが骨形成のスピードを上回ってしまうと、骨の量が徐々に減少し、骨密度が低下します。これが骨粗鬆症の基本的なメカニズムです。骨粗鬆症が進行すると、骨の内部構造が変化し、骨の強度が著しく低下します。そのため、ちょっとした転倒や、くしゃみ、あるいは日常生活の何気ない動作でさえも、骨折を引き起こすリスクが高まります。特に、背骨(脊椎椎体骨折)、手首(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根(大腿骨近位部骨折)、腕の付け根(上腕骨近位部骨折)などが、骨粗鬆症による骨折が起こりやすい部位として知られています。骨粗鬆症は、初期には自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行していることも少なくありません。身長が縮んだり、背中や腰が丸くなったり、腰痛を感じたりといった症状が現れた時には、既に骨粗鬆症が進行している可能性があります。骨粗鬆症は、特に閉経後の女性や高齢者に多く見られますが、若い人でも生活習慣や他の病気の影響で発症することがあります。早期発見・早期治療、そして何よりも予防が大切となる病気です。