子供が「ものもらい」になった時、すぐに病院へ連れて行けない場合など、「市販の目薬で対処できないだろうか」と考える親御さんもいるかもしれません。市販薬の中には、ものもらい(麦粒腫・結膜炎)に効果があるとされる抗菌成分配合の点眼薬も販売されています。しかし、子供のものもらいに市販薬を使用する際には、いくつかの注意点があります。まず、対象年齢を確認することが非常に重要です。市販の点眼薬には、使用できる年齢が定められているものがあります。特に乳幼児の場合、使用できる薬剤が限られているため、必ずパッケージや説明書で対象年齢を確認し、守るようにしましょう。次に、症状が本当に「ものもらい(麦粒腫)」なのかどうか、という点です。まぶたの腫れや赤みは、ものもらい以外の病気(例えば、アレルギー性結膜炎や眼瞼炎、あるいは稀ですが眼窩蜂窩織炎など)でも起こり得ます。自己判断で市販薬を使用し、もし原因が異なっていた場合、症状が悪化したり、適切な治療が遅れたりする可能性があります。また、市販の抗菌点眼薬は、効果が比較的マイルドなものが多く、症状が強い場合や、原因菌の種類によっては十分な効果が得られないこともあります。**霰粒腫(さんりゅうしゅ)の場合は、市販の抗菌点眼薬では効果がありません。**霰粒腫は細菌感染ではなく、マイボーム腺の詰まりによる炎症(肉芽腫)であるため、治療にはステロイド薬や、場合によっては手術が必要となります。市販薬を数日間使用しても症状が改善しない、あるいは悪化するようであれば、自己判断での使用を中止し、速やかに眼科を受診してください。特に、子供の目はデリケートであり、視力の発達にも影響する可能性があるため、安易な自己判断は禁物です。基本的には、子供の目のトラブルは、まず眼科医に相談し、適切な診断と処方を受けるのが最も安全で確実な方法と言えるでしょう。
子供のものもらい市販薬は使っても大丈夫?