溶連菌感染症とは?発疹が現れるメカニズム

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溶連菌感染症は、主にA群β溶血性連鎖球菌という細菌に感染することによって引き起こされる病気です。子どもを中心に、特に冬から春にかけて流行することが多いですが、大人も感染することがあります。この溶連菌感染症の代表的な症状の一つとして、特徴的な「発疹」が現れることがあります。では、なぜ溶連菌に感染すると発疹が出るのでしょうか。そのメカニズムを理解しておきましょう。溶連菌感染症で発疹が現れるのは、主に「猩紅熱(しょうこうねつ)」と呼ばれる病型の場合です。猩紅熱は、溶連菌が産生する「発疹毒(ほっしんどく)」または「紅斑毒(こうはんどく)」と呼ばれる毒素に対する体の反応として発疹が現れると考えられています。全ての溶連菌がこの毒素を産生するわけではなく、また、過去にこの毒素に対する免疫を獲得している場合は、溶連菌に感染しても発疹が出ないこともあります。つまり、発疹毒を産生するタイプの溶連菌に初めて感染した場合や、免疫が低下している場合に、猩紅熱として発疹が現れやすいのです。この発疹毒は、皮膚の毛細血管を拡張させたり、血管の透過性を高めたりする作用があり、その結果、皮膚に赤い点状の発疹や、全体的に赤くなる紅斑が生じると考えられています。発疹は、通常、発熱や喉の痛みといった初期症状が現れてから1~2日後に、首や胸、脇の下、太ももの内側といった柔らかい部分から出始め、徐々に全身に広がっていきます。かゆみを伴うこともあります。また、猩紅熱の発疹は、ザラザラとした細かい砂粒を触ったような感触(「砂状皮膚」と呼ばれることもあります)が特徴的です。溶連菌感染症は、発疹以外にも様々な症状を引き起こし、適切な治療を行わないと合併症のリスクもあるため、疑わしい症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診することが大切です。