耳垢には、大きく分けて「乾性耳垢(かんせいじこう)」と「湿性耳垢(しっせいじこう)」の2種類があることをご存知でしょうか。この耳垢のタイプは遺伝によって決まると言われており、日本人では乾性耳垢の人が多いとされています。そして、この耳垢のタイプによって、耳かきの必要性や適切な頻度が多少異なってくる場合があります。まず、乾性耳垢は、カサカサとした乾燥したタイプの耳垢です。このタイプの耳垢は、比較的自然に耳の外へと排出されやすいため、基本的には頻繁な耳かきは必要ありません。むしろ、やりすぎると外耳道を傷つけたり、乾燥を助長したりする可能性があります。耳かきを行うとしても、月に1~2回程度、耳の入り口付近に見える耳垢を軽く取り除く程度で十分でしょう。一方、湿性耳垢は、粘り気のある湿ったタイプの耳垢で、いわゆる「アメ耳」とも呼ばれます。このタイプの耳垢は、乾性耳垢に比べて外耳道に付着しやすく、自然に排出されにくい傾向があると言われています。そのため、湿性耳垢の人は、乾性耳垢の人よりも耳垢が溜まりやすく、耳かきが必要になる頻度がやや高くなるかもしれません。しかし、それでも毎日のように耳かきをするのはやりすぎです。湿性耳垢の場合でも、耳の奥まで無理に掃除しようとすると、耳垢をさらに奥に押し込んでしまったり、外耳道を傷つけたりするリスクがあります。耳の入り口付近に溜まった耳垢を、綿棒などで優しく拭き取る程度に留め、頻度も多くても週に1回程度に抑えるのが良いでしょう。どちらのタイプの耳垢であっても、自分で耳の奥まで掃除するのは難しく、危険も伴います。もし、耳垢が溜まって不快感がある場合や、聞こえが悪いと感じる場合は、自己判断で無理に耳かきをせず、耳鼻咽喉科を受診して、専門医に適切に除去してもらうのが最も安全で確実な方法です。
耳垢の種類で変わる?耳かき頻度の目安