自分で耳かきをするのは不安、あるいは耳垢が溜まりやすい体質で困っている…そんな方は、耳鼻咽喉科で専門医に耳掃除をしてもらうという選択肢があります。耳鼻咽喉科での耳掃除は、安全かつ確実であり、自分で行う耳かきとは異なる多くのメリットがあります。まず、耳鼻咽喉科医は、専用の器具（耳鏡、吸引器、鉗子など）と、場合によっては顕微鏡を使いながら、耳の奥の状態を詳細に確認しつつ、耳垢を丁寧に取り除いてくれます。自分では見えない耳の奥まで安全に掃除してもらえるため、耳垢を奥に押し込んでしまったり、外耳道や鼓膜を傷つけたりする心配がありません。特に、耳垢が硬く固まってしまっている「耳垢栓塞」の状態や、湿性耳垢で自分では取り除きにくい場合には、耳鼻咽喉科での処置が不可欠です。無理に自分で取ろうとすると、かえって症状を悪化させる可能性があります。また、耳掃除と同時に、耳の健康状態をチェックしてもらえるのも大きなメリットです。外耳炎や中耳炎といった耳の病気の兆候がないか、鼓膜の状態は正常かなどを診てもらうことができます。もし何らかの異常が見つかれば、早期に適切な治療を開始することができます。では、耳鼻咽喉科での耳掃除は、どのくらいの頻度で行うのが良いのでしょうか。これは、個人の耳垢の溜まりやすさや、耳の状態によって異なります。一般的には、3ヶ月から半年に1回程度を目安とする場合が多いようですが、特に耳垢が溜まりやすい方や、過去に耳垢栓塞を起こしたことがある方は、医師と相談して適切な頻度を決めるのが良いでしょう。逆に、耳垢がほとんど溜まらない方であれば、それほど頻繁に通う必要はありません。耳鼻咽喉科での耳掃除は、耳の健康診断も兼ねていると捉え、定期的なメンテナンスとして活用するのが賢明です。