起床時のめまいは、多くの場合、良性のものや全身状態によるものですが、中には脳梗塞や脳出血といった、命に関わる可能性のある「危険なめまい」のサインであることもあります。このような場合は、一刻も早く脳神経外科や神経内科を受診するか、救急車を呼ぶ必要があります。危険なめまいを見分けるための重要なポイントは、めまいに伴って現れる神経症状です。以下のような症状が、起床時のめまいに伴って見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください。* 激しい頭痛: 今までに経験したことのないような激しい頭痛や、後頭部の痛みが突然現れた場合。 * 手足のしびれや麻痺: 片方の手足がしびれたり、力が入らなくなったり、動かしにくくなったりする場合。 * ろれつが回らない、言葉が出にくい: うまく話せない、言葉がもつれる、思ったように言葉が出てこないといった症状。 * 物が二重に見える(複視)、視野が欠ける: 片方の目が見えにくい、物が二重に見える、視野の一部が欠けて見えるといった視覚の異常。 * 顔面の麻痺: 顔の片側が歪んだり、口角が下がったり、うまく笑顔が作れなくなったりする場合。 * まっすぐ歩けない、ふらつく: バランスが取れず、まっすぐ歩けない、千鳥足になる、といった歩行障害。 * 意識障害: 呼びかけへの反応が鈍い、意識が朦朧とする、意識を失うといった症状。 これらの症状は、脳の血管が詰まったり(脳梗塞)、破れたり(脳出血)することで、脳の一部に酸素や栄養が行き渡らなくなり、脳細胞がダメージを受けることによって起こります。特に、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動といった生活習慣病をお持ちの方や、喫煙習慣のある方、高齢の方は、脳血管障害のリスクが高いため、より注意が必要です。起床時のめまいが、これらの危険なサインを伴う場合は、決して自己判断せずに、速やかに専門医の診察を受けるようにしてください。