溶連菌感染症による発疹(猩紅熱)は特徴的なものですが、他の発疹を伴う病気と症状が似ていることもあり、自己判断は禁物です。正確な診断のためには、医師の診察が不可欠です。ここでは、溶連菌の発疹と間違えやすい他の代表的な病気をいくつかご紹介します。まず、**風疹(三日ばしか)**です。風疹も発熱とほぼ同時に全身に細かい赤い発疹が現れますが、溶連菌の発疹のようなザラザラ感はなく、比較的早く(3日程度で)消えることが多いのが特徴です。また、耳の後ろや首のリンパ節の腫れが顕著に見られます。次に、麻疹(はしか)です。麻疹は高熱が続き、咳や鼻水、目の充血といったカタル症状が強く現れた後、口の中にコプリック斑という白い粘膜疹が出現し、その後、顔から全身へと融合しやすい赤い発疹が広がります。溶連菌の発疹とは異なり、発疹はやや盛り上がり、色も濃いことが多いです。また、突発性発疹も、乳幼児に多く見られる病気で、高熱が3~4日続いた後、熱が下がるのとほぼ同時に、お腹や背中を中心に赤い細かい発疹が現れます。発疹にかゆみはほとんどなく、数日で自然に消えていきます。アレルギー性皮膚炎や薬疹なども、全身に赤い発疹やかゆみを伴うことがあるため、鑑別の対象となります。これらの場合は、特定の物質への接触や、薬剤の服用といったきっかけがあることが多いです。その他、川崎病も、発熱や発疹、目の充血、唇の赤み、手足の腫れといった症状が現れるため、注意が必要です。これらの病気は、それぞれ治療法や経過が異なります。特に、麻疹や川崎病は重症化するリスクもあるため、早期の適切な診断と治療が重要です。発疹が出た場合は、自己判断せずに、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従うようにしましょう。