足の血管が浮き出て見えるようになった時、すぐに病院へ行くべきか、それともしばらく様子を見ても良いのか、判断に迷うことがあるかもしれません。症状の程度や種類によって、受診の適切なタイミングは異なります。まず、見た目の変化だけで、特に痛みやだるさ、むくみといった自覚症状がない場合は、緊急性は低いと考えられます。しかし、血管の浮き出方が徐々に進行している、範囲が広がっている、あるいは美容的に非常に気になるという場合は、一度専門医に相談してみるのが良いでしょう。特に、下肢静脈瘤は進行性の病気であるため、早期に診断を受け、適切なアドバイスを受けることで、将来的な悪化を防ぐことにもつながります。次に、足のだるさ、重さ、むくみ、こむら返り(足のつり)、かゆみ、ほてり感といった自覚症状が現れてきた場合は、医療機関の受診を検討すべきタイミングです。これらの症状は、下肢静脈瘤が進行し、血液のうっ滞が起きているサインである可能性があります。放置しておくと、症状が悪化し、日常生活に支障をきたすこともあります。さらに、浮き出た血管の周りに痛みや熱感、赤みがある場合は、血栓性静脈炎を起こしている可能性があり、速やかな受診が必要です。また、皮膚の色素沈着(茶色っぽいシミ)、湿疹、乾燥、そして治りにくい潰瘍といった皮膚症状が現れた場合は、下肢静脈瘤がかなり進行し、うっ滞性皮膚炎や皮膚潰瘍を発症している可能性があります。この場合も、放置すると重症化するため、できるだけ早く専門医の診察を受ける必要があります。そして、急に血管がボコボコと大きく腫れてきた、あるいは強い痛みを伴うといった急激な変化があった場合も、速やかに医療機関を受診しましょう。自己判断せずに、気になる症状があれば、まずは専門医に相談することが大切です。
足の血管が浮き出る症状と受診のタイミング