関節リウマチは、関節の痛みや腫れ、こわばりなどを引き起こす自己免疫疾患であり、進行すると関節の変形や機能障害を招く可能性もあります。そのため、早期発見・早期治療が非常に重要となりますが、治療にはある程度の費用がかかることも事実です。「リウマチの治療費は一体どれくらいかかるのだろう？」と不安に感じる方も少なくないでしょう。リウマチの治療費は、病気の進行度や活動性、選択する治療法、そして加入している健康保険の種類や医療費助成制度の利用状況などによって、個人差が非常に大きいため、一概に「平均いくら」と断言することは難しいのが現状です。しかし、一般的な目安として、治療の段階別に考えてみましょう。まず、診断初期や症状が比較的軽い場合は、抗リウマチ薬（DMARDs）の内服や、非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）、場合によっては少量のステロイドなどが用いられます。この段階では、定期的な通院（月に1回程度）と検査、薬剤費などが主な費用となり、3割負担の場合、月に数千円から1万円程度が目安となることが多いようです。しかし、これらの従来型の治療で効果が不十分な場合や、病気の活動性が高い場合には、生物学的製剤やJAK阻害薬といった、より新しいタイプの薬剤が使用されることがあります。これらの薬剤は、高い治療効果が期待できる一方で、薬価が非常に高額です。3割負担の場合でも、月に数万円から十数万円の薬剤費がかかることも珍しくありません。ただし、これらの高額な薬剤を使用する際には、高額療養費制度や、場合によっては医療費助成制度（指定難病医療費助成制度など）を利用することで、自己負担額を軽減できる場合があります。その他、リハビリテーションや手術が必要になった場合には、別途費用が発生します。治療費は長期にわたるため、事前に医療機関の相談窓口やソーシャルワーカーに相談し、利用できる制度について確認しておくことが大切です。