溶連菌感染症の中でも、特に猩紅熱(しょうこうねつ)と呼ばれる病型では、特徴的な発疹が現れます。この発疹がいつから出始めて、どのくらいの期間続くのか、そしてどのような特徴があるのかを知っておくことは、病気の早期発見や適切な対応につながります。まず、発疹が出現するタイミングですが、一般的には、発熱や喉の痛みといった初期症状が現れてから1~2日後に出始めることが多いと言われています。ただし、個人差があり、初期症状とほぼ同時に発疹が出ることもあれば、もう少し遅れて出現することもあります。発疹は、最初に首の周り、胸、脇の下、太ももの内側といった、皮膚の柔らかい部分に現れることが多く、その後、数時間から1日程度で急速に全身に広がっていきます。顔にも発疹が出ることがありますが、口の周りだけが白く抜けて見える「口囲蒼白(こういそうはく)」という特徴的な所見が見られることもあります。発疹の見た目は、細かく赤い点状のものが密集し、全体的に皮膚が赤みを帯びて見えるようになります。触ると、ザラザラとした細かい砂粒を触ったような感触(「砂状皮膚」または「サンドペーパー様皮膚」と呼ばれることもあります)があるのが大きな特徴です。かゆみを伴うこともありますが、その程度は人によって異なります。この発疹は、通常、3~5日間程度続いた後、徐々に薄くなっていきます。そして、発疹が消え始めた頃から、**皮膚が薄く剥けてくる(落屑:らくせつ)**ことがあります。特に、指先や手足の皮が、日焼けの後のように薄くむけるのが特徴的です。この落屑は、数週間にわたって続くこともあります。溶連菌感染症の発疹は、他の発疹性疾患との鑑別も重要となるため、疑わしい場合は自己判断せずに、医療機関を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。