関節リウマチの治療は、残念ながら「完治」という概念が難しく、多くの場合、長期にわたって病気と付き合っていく必要があります。そのため、治療にかかる費用も、一時的なものではなく、生涯にわたる総費用として捉えておくことが大切です。治療期間は、個人の病状や治療への反応性によって大きく異なります。早期に適切な治療を開始し、病気の活動性をコントロールできれば(寛解状態)、関節破壊の進行を抑え、日常生活への影響を最小限にすることができます。中には、薬剤を減量したり、中止したりできるケースもありますが、多くの場合、寛解を維持するために、何らかの形で治療を継続する必要があります。治療の目標は、単に痛みを抑えるだけでなく、関節の機能を保ち、QOL(生活の質)を高く維持することにあります。そのため、定期的な診察や検査、そして薬剤の継続的な使用が必要となるのです。総費用を考える際には、まず月々の医療費(薬剤費、診察料、検査料など)を把握し、それに予想される治療期間を掛け合わせるという単純な計算だけでは不十分です。なぜなら、病状の変化によって治療内容が変わったり、新たな薬剤が導入されたり、あるいは合併症の治療が必要になったりする可能性があるからです。また、医療費助成制度の利用状況や、制度自体の変更なども影響します。さらに、医療機関への交通費や、場合によっては仕事を休むことによる収入減なども、広義の「治療にかかるコスト」として考慮に入れる必要があるかもしれません。このように、リウマチ治療の総費用を正確に予測することは非常に困難です。しかし、だからといって不安になる必要はありません。大切なのは、現在の治療にかかっている費用を把握し、利用できる医療費助成制度を最大限に活用すること、そして、将来的な費用についても、医師や医療ソーシャルワーカーと相談しながら、ある程度の見通しを立てておくことです。経済的な不安を抱えたまま治療を続けることは、精神的な負担にもなりかねません。早めに相談し、安心して治療に臨める環境を整えましょう。
リウマチ治療期間と総費用の考え方