夏の胃腸炎は、食中毒やウイルス感染が主な原因ですが、日頃の食生活に気をつけることで、胃腸の調子を整え、感染しにくい体作りをサポートすることができます。予防に役立つとされる食べ物や栄養素についてご紹介します。まず、腸内環境を整えることが重要です。腸には体内の免疫細胞の約7割が集まっていると言われており、腸内環境の善し悪しが免疫力に大きく影響します。善玉菌を増やす発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌、キムチなど)や、善玉菌のエサとなる食物繊維(野菜、果物、きのこ、海藻類など)、オリゴ糖などを積極的に摂取しましょう。特に、水溶性食物繊維(海藻類や果物、大麦などに多く含まれる)は、便を柔らかくし、排便をスムーズにする効果も期待できます。次に、梅干しや酢といった酸味のある食品も、唾液や胃酸の分泌を促し、消化を助けるとともに、殺菌効果も期待できると言われています。ただし、胃腸が弱っている時には刺激になることもあるため、摂りすぎには注意が必要です。また、体を温め、血行を促進し、胃腸の働きを活発にする効果のある生姜やネギ、ミョウガ、シソといった香味野菜も、夏バテ気味の胃腸にはおすすめです。食欲がない時でも、薬味として少量使うだけでも効果が期待できます。そして、粘膜を保護し、修復する働きのある栄養素も重要です。ビタミンA(レバー、うなぎ、緑黄色野菜などに多く含まれる)や、ビタミンC(果物、野菜、芋類などに多く含まれる)、亜鉛(牡蠣、肉類、大豆製品などに多く含まれる)などをバランス良く摂取しましょう。ただし、これらの食べ物や栄養素は、あくまで胃腸炎の「予防」をサポートするものであり、特定の食品を摂取したからといって、完全に胃腸炎を防げるわけではありません。最も大切なのは、食中毒予防の三原則(つけない、増やさない、やっつける)を守り、手洗いやうがいを徹底すること、そしてバランスの取れた食事と十分な睡眠で、体の抵抗力を高めておくことです。もし、胃腸炎の症状が出てしまった場合は、これらの食品に頼るのではなく、医師の指示に従い、適切な治療と水分補給を優先してください。
夏の胃腸炎予防に役立つ食べ物とは?