溶連菌感染症は、主に子どもたちの間で流行しますが、大人も感染する可能性があります。特に、家庭内や職場、学校などで子どもと接する機会の多い大人は、感染のリスクに注意が必要です。大人が溶連菌にうつる主な感染経路と、その予防策について理解しておきましょう。溶連菌の主な感染経路は、以下の三つです。一つ目は「飛沫感染」です。感染者の咳やくしゃみ、会話などで飛び散る小さな飛沫（しぶき）に含まれる菌を吸い込むことで感染します。二つ目は「接触感染」です。感染者が触れたドアノブや手すり、おもちゃなどに付着した菌が、他の人の手に付き、その手で目や鼻、口を触ることで感染します。また、感染者と直接的な身体接触（例えば、握手など）によっても感染することがあります。三つ目は、稀ではありますが、食品を介した「経口感染」です。菌が付着した食品を摂取することで感染することがあります。これらの感染経路を踏まえ、大人ができる予防策としては、まず、基本的な感染対策である手洗いとうがいの徹底が最も重要です。外出後や食事の前、トイレの後、そして感染者の世話をした後などは、石鹸と流水で指の間や手首まで丁寧に洗いましょう。アルコール消毒も補助的に有効です。次に、マスクの着用です。特に、溶連菌感染症が流行している時期や、感染者が近くにいる場合、人混みに出かける際には、飛沫感染を防ぐためにマスクを着用しましょう。また、感染者とのタオルの共用は避け、食器なども分けて使用するのが望ましいです。感染者が触れた可能性のある場所は、こまめに消毒用アルコールなどで拭き取りましょう。そして、自身の免疫力を高めておくことも大切です。十分な睡眠とバランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、ストレスを溜めないようにすることで、体の抵抗力を維持し、ウイルスや細菌に感染しにくい状態を作ることができます。特に、疲労が溜まっている時や寝不足の時は免疫力が低下しやすいため、無理をしないようにしましょう。