足がパンパンに張るという症状は、多くの場合、一時的なもので心配いりませんが、中には何らかの病気が原因で起こっている可能性もあります。特に、むくみが長期間続く、急に悪化した、片足だけがむくむ、あるいは息切れや体重増加といった他の症状も伴う場合は、注意が必要です。放置すると、元の病気が進行してしまう恐れがあるため、早期の発見と適切な治療が重要になります。足のパンパン感(むくみ)の原因となる代表的な病気としては、まず心臓の病気である「心不全」が挙げられます。心臓のポンプ機能が低下すると、全身に血液をうまく送り出せず、体内に水分が溜まりやすくなり、特に足にむくみが生じます。息切れや動悸、体重増加なども見られることがあります。次に、腎臓の病気である「腎不全」です。腎臓は体内の水分や塩分を調節する役割がありますが、腎機能が低下すると、これらの調節がうまくいかなくなり、むくみが生じます。顔やまぶたにもむくみが出やすいのが特徴です。また、肝臓の病気である「肝硬変」も、血液中のアルブミンというタンパク質を作る能力が低下し、血管内の水分を保持する力が弱まることで、むくみが生じます。腹水(お腹に水がたまる)を伴うこともあります。足の血管の病気も、足のパンパン感の原因となります。「下肢静脈瘤」は、足の静脈の弁の機能が悪くなり、血液が逆流して滞留することで、むくみやだるさ、こむら返りなどを引き起こします。「深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)」は、足の静脈に血栓ができる病気で、片足の急な腫れや痛みが特徴です。この血栓が肺に飛ぶと肺塞栓症という命に関わる状態になることもあります。その他、「甲状腺機能低下症」や「リンパ浮腫」なども、足のむくみの原因となります。これらの病気は、それぞれ専門的な治療が必要となります。もし、足のパンパン感が気になる場合は、自己判断せずに、まずは内科やかかりつけ医に相談し、原因を特定してもらうことが大切です。
足のパンパン感と病気の関係性放置は禁物?