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2025年11月
  • うっ滞性皮膚炎診断までの流れと検査

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    うっ滞性皮膚炎が疑われる場合、医療機関ではどのような流れで診断が行われ、どのような検査が必要になるのでしょうか。そのプロセスを理解しておくと、安心して受診できるでしょう。まず、医療機関(主に皮膚科や循環器内科、血管外科など)を受診すると、医師による詳しい問診が行われます。いつから、どのような症状(皮膚の変色、かゆみ、湿疹、むくみ、痛み、だるさなど)があるのか、症状が悪化する状況(例えば、長時間立っているとひどくなるなど)、既往歴(特に、下肢静脈瘤や深部静脈血栓症、心臓病、腎臓病、糖尿病など)、喫煙歴、職業(立ち仕事かどうかなど)、生活習慣などを詳しく聞かれます。次に、身体診察です。医師は、足の皮膚の状態(色調、乾燥、湿疹、潰瘍の有無、硬さなど)を注意深く観察します。また、むくみの程度や範囲、下肢静脈瘤の有無(血管が浮き出ていないかなど)、足の脈拍の触知、皮膚の温度なども確認します。これらの問診と診察から、うっ滞性皮膚炎の可能性が高いと判断された場合、さらに原因を特定するための検査が行われることがあります。まず、皮膚科では、他の皮膚疾患(例えば、接触皮膚炎やアトピー性皮膚炎、自家感作性皮膚炎など)との鑑別のために、パッチテストや皮膚生検(皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べる検査)が行われることがあります。うっ滞性皮膚炎の根本的な原因である下肢の静脈のうっ滞を評価するためには、循環器内科や血管外科で、超音波(ドップラーエコー)検査が行われます。これは、超音波を使って、足の静脈の血流の状態や、静脈弁の機能不全、血栓の有無などを調べる非侵襲的な検査です。この検査によって、下肢静脈瘤や深部静脈血栓症後遺症といった原因疾患の診断が可能になります。必要に応じて、ABI(足関節上腕血圧比)検査で足の動脈の血流状態を評価したり、血液検査で炎症反応や腎機能、肝機能などを調べたりすることもあります。これらの検査結果と、問診や診察所見を総合的に判断し、医師はうっ滞性皮膚炎の診断を下し、その原因と重症度を評価して、適切な治療方針を決定します。