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繰り返す耳の下の痛み放置せず原因究明を
耳の下の痛みが一度だけでなく、何度も繰り返したり、慢性的に続いたりする場合、その背景には何らかの原因が潜んでいる可能性が高いです。単なる一時的な不調と軽視せず、放置せずに原因を特定し、適切な対処をすることが重要です。繰り返す耳の下の痛みの原因として考えられるものには、以下のようなものがあります。まず、慢性的なリンパ節炎です。体力が落ちている時や、風邪をひきやすい体質の方、あるいは虫歯や歯周病、副鼻腔炎といった慢性的な感染源が近くにある場合、リンパ節が繰り返し炎症を起こしやすくなります。次に、唾石症です。唾液腺の中にできた石(唾石)が、唾液の出口を詰まらせることで、食事のたびに耳の下が腫れて激しい痛みが起こります。石が自然に排出されない限り、症状を繰り返すことがあります。顎関節症も、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しやすい疾患の一つです。噛み合わせの問題や、歯ぎしり、食いしばりといった癖、ストレスなどが改善されないと、顎の痛みや耳の下の痛みが再発しやすくなります。また、稀ではありますが、反復性耳下腺炎といって、原因不明の耳下腺の炎症を繰り返す病気もあります。特に小児に多いとされています。さらに、帯状疱疹後神経痛といって、帯状疱疹が治った後も、神経痛として痛みが長期間残ってしまうことがあります。これが耳の周囲に起こると、繰り返す痛みとして感じられることがあります。これらのように、繰り返す耳の下の痛みには、様々な原因が考えられます。もし、痛みが頻繁に起こる、市販の鎮痛薬では効果がない、あるいは他の症状(例えば、しこり、発熱、顔面神経麻痺など)を伴う場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。耳鼻咽喉科、歯科・口腔外科、内科など、症状に合わせて適切な診療科を選び、医師にこれまでの経過を詳しく伝え、必要な検査を受けて原因を特定してもらうことが大切です。原因に応じた適切な治療と、再発予防のための生活習慣の改善などに取り組むことで、繰り返す痛みから解放される道が開けるはずです。