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2025年11月
  • うっ滞性皮膚炎の治療法保存療法から手術まで

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    うっ滞性皮膚炎の治療は、皮膚の炎症を抑えることと、根本的な原因である下肢の静脈のうっ滞を改善することの二本柱で行われます。症状の程度や原因疾患によって、様々な治療法が選択されます。まず、皮膚症状に対する治療としては、ステロイド外用薬(塗り薬)が中心となります。湿疹や炎症を抑え、かゆみを軽減する効果があります。医師の指示に従い、適切な強さのステロイド薬を、適切な期間、適切な量だけ使用することが重要です。かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬の内服薬が併用されることもあります。皮膚が乾燥している場合は、保湿剤をこまめに塗布し、皮膚のバリア機能を高めることも大切です。もし、皮膚に潰瘍ができている場合は、その潰瘍に対する専門的な創傷ケア(洗浄、消毒、軟膏処置、被覆材の使用など)が必要となります。次に、下肢の静脈のうっ滞を改善するための治療です。これが根本的な治療となります。まず、保存的治療として最も重要なのが、弾性ストッキングや弾性包帯を用いた圧迫療法です。これらは、足に適度な圧力をかけることで、静脈の血液やリンパ液の流れを助け、うっ滞を軽減し、むくみを改善する効果があります。医師や専門のセラピストから、正しいサイズ選びや装着方法の指導を受けることが大切です。また、日常生活での工夫も重要です。長時間同じ姿勢(特に立ちっぱなしや座りっぱなし)を避け、こまめに足を動かしたり、休憩時には足を心臓より高く上げたりするようにしましょう。適度な運動(ウォーキングや足首の運動など)も、ふくらはぎの筋肉のポンプ作用を高め、血流改善に役立ちます。塩分の摂りすぎに注意し、バランスの取れた食事を心がけることも大切です。これらの保存的治療で十分な効果が得られない場合や、下肢静脈瘤が原因で症状が重い場合には、外科的な治療が検討されることもあります。具体的には、下肢静脈瘤に対する硬化療法(薬剤を注入して静脈を閉塞させる)や、レーザー治療、高周波治療、ストリッピング手術(問題のある静脈を引き抜く)などがあります。どの治療法が最適かは、個々の状態によって異なりますので、必ず専門医とよく相談し、納得のいく治療を選択することが大切です。