2026年2月
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耳かきは月に一度で十分な理由
多くの人が日常的に行っている耳かきですが、実は月に一度程度の頻度で十分であるという事実をご存知でしょうか。耳には非常に優れた自浄作用が備わっており、外耳道と呼ばれる部分から鼓膜に向かって、古い皮膚や分泌物などが混ざり合った耳垢を自然と外へ押し出す仕組みがあります。この耳垢は、単なる老廃物ではなく、耳の内部を乾燥や細菌感染から守る重要な役割を担っています。しかし、頻繁に耳かきをしてしまうと、この自然な耳の働きを阻害してしまうことになります。例えば、綿棒や耳かき棒で耳の奥を触りすぎると、耳垢をさらに奥へと押し込んでしまい、結果として耳垢が詰まってしまう「耳垢栓塞」を引き起こすリスクが高まります。耳垢栓塞は、難聴や耳の閉塞感、耳鳴りなどの症状を引き起こし、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。また、耳かきによる過度な刺激は、外耳道の繊細な皮膚を傷つけ、炎症や感染症の原因となる可能性も否定できません。耳の皮膚は非常に薄く、少しの刺激でも赤みやかゆみ、痛みを引き起こすことがあります。そのため、耳掃除は耳の入り口付近に見えている耳垢を、清潔なタオルや柔らかい綿棒で優しく拭き取る程度にとどめるのが賢明です。特に入浴後など、耳垢が柔らかくなっている時に行うと、より効果的に除去できます。もし耳の奥に違和感がある場合や、耳垢が固まって取れないと感じる場合は、自己判断せずに耳鼻咽喉科を受診することが最も安全で確実な方法です。専門医であれば、適切な器具と技術で安全に耳垢を除去してくれます。耳かきは「しない」ことが耳の健康を守る上で最も良い選択肢となる場合が多いのです。