2025年12月
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適切な耳かき頻度とは
耳掃除は多くの人にとって日常的な習慣ですが、その頻度については意外と知られていないことが多いものです。実は、耳は自浄作用を持っており、通常は耳垢を自然に外へ排出する仕組みが備わっていると言えるでしょう。耳垢は、外耳道の皮膚が剥がれ落ちたものや分泌物が混じり合ったもので、細菌の侵入を防いだり、異物から耳を守る大切な役割を担っているのです。そのため、過度な耳掃除はかえって耳の健康を損ねてしまう可能性があるのです。例えば、綿棒などで奥まで耳垢を押し込んでしまうと、耳垢栓塞(じこうせんそく)を引き起こし、難聴や耳鳴りの原因となってしまうこともあります。また、頻繁な耳掃除は外耳道の皮膚を傷つけ、炎症を起こしやすくするというリスクも高まります。一般的には、月に1回程度、耳の入り口付近を優しく拭き取るだけで十分とされています。入浴後に耳が湿っている時に、清潔なタオルや柔らかい布で軽く拭くのがおすすめです。耳の奥まで無理に器具を挿入するのは避けましょう。特に、子どもや高齢者の耳はデリケートなので、より一層の注意深さが必要になってくるでしょう。もし耳の違和感や痛み、聞こえにくさなどを感じた場合は、自己判断で深追いせず、耳鼻咽喉科を受診することが最も大切なのです。専門医であれば、耳の状態を正確に診断し、適切な処置を施してくれます。耳かき頻度を見直すことは、耳の健康を守る上で非常に重要な一歩と言えるでしょう。