溶連菌感染症発疹以外の主な症状
溶連菌感染症は、特徴的な発疹(猩紅熱)が現れることがありますが、発疹以外にも様々な症状が見られます。これらの症状を総合的に把握することが、早期発見と適切な対応につながります。まず、最も代表的な初期症状の一つが発熱です。多くの場合、38~39℃程度の急な高熱が出ますが、微熱程度で済むこともあります。発熱に伴って、全身倦怠感や頭痛、関節痛、筋肉痛といった、いわゆる風邪のような症状が現れることもあります。次に、非常に特徴的なのが喉の痛みです。喉が赤く腫れ、食べ物や飲み物を飲み込む際に強い痛みを感じます。扁桃腺が腫れて白い膿が付着することもあります(扁桃炎)。また、舌の表面にイチゴの種のようなブツブツができる「イチゴ舌」も、溶連菌感染症に特徴的な所見の一つです。最初は舌が白っぽい苔で覆われ、その後、赤いブツブツが目立つようになります。発疹が出ない場合でも、これらの喉の症状やイチゴ舌が見られる場合は、溶連菌感染症を疑う重要な手がかりとなります。腹痛や吐き気、嘔吐といった消化器症状を伴うこともあります。特に小さなお子さんの場合、食欲不振や不機嫌といった形で現れることもあります。また、首のリンパ節が腫れて痛みを伴うこともあります。これらの症状は、必ずしも全てが現れるわけではなく、個人差があります。また、年齢によっても症状の現れ方が異なることがあります。例えば、3歳未満の乳幼児では、典型的な喉の症状や発熱が見られず、鼻水や鼻づまり、微熱、不機嫌といった、非特異的な症状が中心となることもあります。気になる症状が見られた場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、医師の診断を受けることが大切です。