骨粗鬆症は、一度発症すると完全に元に戻すのが難しい病気ですが、若い頃から適切な予防策を講じることで、その発症リスクを大幅に減らすことができます。骨の健康は、日々の食事と運動の積み重ねによって築かれます。ここでは、骨粗鬆症を予防するために、食事と運動でできることをご紹介します。まず、食事についてです。骨を強くするためには、骨の主成分であるカルシウムを十分に摂取することが基本です。カルシウムは、乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)、小魚(しらす、めざしなど)、大豆製品(豆腐、納豆など)、緑黄色野菜(小松菜、チンゲン菜など)に多く含まれています。これらの食品をバランス良く食事に取り入れましょう。カルシウムの吸収を高めるためには、ビタミンDも不可欠です。ビタミンDは、魚介類(サケ、サンマ、イワシなど)、きのこ類(干ししいたけ、きくらげなど)、卵などに多く含まれています。また、日光を浴びることでも体内でビタミンDが生成されるため、適度な日光浴も効果的です。さらに、骨の形成に関わるビタミンKも重要な栄養素です。ビタミンKは、納豆、緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリーなど)、海藻類に多く含まれています。これらの栄養素をバランス良く摂取することに加えて、リンや食塩の過剰摂取、極端なダイエットは骨の健康に悪影響を与えるため注意が必要です。次に、運動についてです。骨は、適度な負荷がかかることで強くなります。そのため、**体重がかかる運動(荷重運動)**を習慣的に行うことが、骨密度の維持・向上に役立ちます。ウォーキング、ジョギング、エアロビクス、ダンス、テニスなどがおすすめです。また、筋力トレーニングも、骨に刺激を与え、骨を強くする効果が期待できます。スクワットや片足立ちといった簡単な運動から始めてみましょう。さらに、バランス感覚を養う運動(太極拳やヨガなど)は、転倒予防に繋がり、結果として骨折のリスクを減らすことにもなります。これらの食事と運動の習慣を、できるだけ若い頃から意識して継続することが、将来の骨粗鬆症予防にとって最も重要です。