「最近、トイレに行く回数が増えた気がする」「1日に10回以上トイレに行っているけど、これって普通なの?」そんな風に、ご自身の排尿回数について気になっている方はいませんか。一般的に、成人の1日の平均的な排尿回数は、日中4~7回、夜間0~1回程度と言われています。そのため、日中8回以上、あるいは夜間2回以上トイレに行く場合は、「頻尿(ひんにょう)」の可能性が考えられます。1日10回という回数は、この頻尿の目安に当てはまるため、何らかの原因が隠れているかもしれません。頻尿の原因は様々で、一時的なものから、治療が必要な病気が原因である場合もあります。まず、水分摂取量の増加は、当然ながら排尿回数を増やします。特に、コーヒーやお茶、アルコールといった利尿作用のある飲み物を多く摂取すると、トイレが近くなりやすいです。また、寒さによる刺激も、膀胱が収縮しやすくなり、頻尿を引き起こすことがあります。冬場にトイレが近くなるのはこのためです。精神的なストレスや緊張も、自律神経のバランスを乱し、膀胱が過敏になることで頻尿の原因となることがあります。試験前や大切な会議の前などにトイレに行きたくなるのは、この心理的な要因が影響しています。しかし、これらの生理的な要因や一時的なものではなく、何らかの病気が原因で頻尿が起こっている可能性も否定できません。代表的なものに、過活動膀胱があります。これは、膀胱が過敏になり、尿が十分に溜まっていないのに尿意を感じてしまう病気です。また、膀胱炎などの尿路感染症も、膀胱が刺激されて頻尿や排尿痛を引き起こします。男性の場合は前立腺肥大症、女性の場合は骨盤臓器脱などが、頻尿の原因となることもあります。その他、糖尿病や腎臓病、心不全といった全身性の疾患の影響で、尿量が増加し、頻尿になることもあります。1日10回という排尿回数が続くようであれば、一度医療機関を受診し、原因を特定してもらうことが大切です。