耳の下に痛みだけでなく、しこり(腫れ物や塊)も触れる場合、それは単なるリンパ節の腫れだけでなく、他の病気の可能性も考える必要があります。このような場合、どの診療科を受診すれば良いのでしょうか。まず、最も可能性が高いのは、やはりリンパ節炎です。風邪や歯の炎症などで、耳の下のリンパ節が腫れてしこりのように触れ、痛みを伴うことはよくあります。この場合は、耳鼻咽喉科やかかりつけの内科、小児科(子どもの場合)で診てもらいましょう。多くは原因となっている炎症が治まれば、しこりも自然に小さくなっていきます。次に、耳下腺の腫瘍も考えられます。耳下腺は耳の前下にある唾液腺ですが、ここに良性または悪性の腫瘍ができることがあります。良性腫瘍(多形腺腫など)であれば、ゆっくりと大きくなる痛みのないしこりとして触れることが多いですが、急に大きくなったり、痛みを伴ったり、顔面神経麻痺(顔の動きが悪くなる)を伴ったりする場合は、悪性腫瘍(耳下腺がんなど)の可能性も考慮しなければなりません。耳下腺のしこりや腫瘍が疑われる場合は、耳鼻咽喉科が専門となります。超音波検査やCT、MRI検査、針生検(細い針で細胞を採取して調べる検査)などを行い、診断と治療方針を決定します。また、皮膚の下にできる良性の腫瘍である粉瘤(ふんりゅう:アテローム)や脂肪腫(しぼうしゅ)が、耳の下のしこりの原因となることもあります。これらが炎症を起こすと、赤みや痛み、腫れを伴うことがあります。この場合は、皮膚科または形成外科が専門です。稀ではありますが、悪性リンパ腫という血液のがんが、首のリンパ節の腫れ(しこり)として現れることもあります。この場合は、痛みを伴わないことが多いですが、発熱や体重減少、寝汗といった全身症状が見られることがあります。血液内科が専門となります。このように、耳の下のしこりと痛みの原因は様々で、中には注意が必要な病気も含まれます。自己判断せずに、早めに医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。
耳の下のしこりと痛み何科で診てもらう?