りんご病は主に子どもの病気として知られていますが、大人も感染し、発症することがあります。大人がりんご病にかかった場合、子どもに比べて症状が重くなる傾向があり、特に発疹に伴うかゆみが強く出ることがあるため、注意が必要です。大人のりんご病でかゆみが強い場合の注意点と対処法について理解しておきましょう。まず、大人の場合、頬の赤み(リンゴのような頬)は子どもほど典型的ではなく、手足や体幹部に現れるレース状や網目状の発疹が主体となることがあります。そして、この発疹は強いかゆみを伴うことが多く、日常生活に支障をきたすほどになることも少なくありません。また、関節痛や筋肉痛、倦怠感といった全身症状も、子どもより強く現れる傾向があります。かゆみが強い時の基本的な対処法は、子どもと同様に、患部を冷やす、皮膚を清潔に保つ、刺激の少ない衣類を選ぶ、保湿を心がけるといったことです。しかし、大人の場合は、仕事や家事など、日常生活を送りながら対処しなければならないため、より工夫が必要になることもあります。かゆみが我慢できない場合は、無理せずに医療機関(内科や皮膚科など)を受診し、かゆみ止めの内服薬(抗ヒスタミン薬など)や塗り薬を処方してもらいましょう。特に、夜間のかゆみが強く睡眠が妨げられる場合は、睡眠導入効果のある抗ヒスタミン薬が有効なこともあります。医師に相談してみましょう。また、掻き壊しは絶対に避けるべきです。大人の場合でも、無意識のうちに掻いてしまうことがあるため、爪は短く切り、できるだけ患部に触れないように意識することが大切です。もし掻き壊してしまった場合は、二次感染を防ぐために、傷口を清潔にし、必要であれば抗菌薬軟膏などを塗布しましょう。そして、りんご病の発疹は、日光(紫外線)によって悪化したり、再燃したりすることがあります。外出時には、日焼け止めを塗ったり、長袖・長ズボンを着用したりするなど、紫外線対策をしっかりと行いましょう。大人のりんご病は、症状が長引いたり、関節痛が数ヶ月続くこともあります。焦らず、医師の指示に従い、根気強く治療とケアを続けることが大切です。