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  • リウマチ治療の基本目標と進め方

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    関節リウマチは、免疫の異常により、主に手足の関節に炎症が起こり、腫れや痛みを引き起こす自己免疫疾患です。進行すると関節の変形や機能障害をきたし、日常生活に大きな影響を与えるため、早期診断と適切な治療が非常に重要となります。リウマチ治療の基本的な目標は、「臨床的寛解(かんかい)」、つまり病気の活動性がほとんどなくなり、関節の痛みや腫れといった症状が消失し、関節破壊の進行も抑えられている状態を達成し、それを維持することです。そして、最終的には患者さんのQOL(生活の質)を最大限に高めることを目指します。治療の進め方としては、まず、問診や診察、血液検査(炎症反応や自己抗体の有無など)、画像検査(レントゲンや超音波、MRIなど)によって、関節リウマチの診断と病気の活動性、関節破壊の程度などを正確に評価します。その上で、個々の患者さんの状態やライフスタイルに合わせて、治療計画が立てられます。治療の中心となるのは薬物療法ですが、それ以外にも、リハビリテーションや、場合によっては手術療法も組み合わせて行われます。薬物療法では、主に抗リウマチ薬(DMARDs:ディーマーズ)が用いられ、その中でもメトトレキサート(MTX)が第一選択薬として位置づけられています。MTXで効果が不十分な場合や、副作用で使用できない場合には、生物学的製剤やJAK阻害薬といった、より新しいタイプの薬剤の使用が検討されます。これらの薬剤は、関節の炎症や破壊を強力に抑える効果が期待できます。また、痛みが強い場合には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や、少量のステロイド薬が一時的に併用されることもあります。リハビリテーションでは、関節の動きを保ち、筋力を維持・向上させるための運動療法や、日常生活動作の指導などが行われます。関節破壊が進行し、機能障害が著しい場合には、人工関節置換術などの手術療法が検討されることもあります。リウマチ治療は、長期にわたることが多いため、医師や医療スタッフとよくコミュニケーションを取り、二人三脚で根気強く治療に取り組むことが大切です。