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2025年10月
  • 大人の溶連菌治療薬と副作用について

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    大人が溶連菌感染症と診断された場合、その治療の基本は抗菌薬(抗生物質)の内服です。原因となる溶血性連鎖球菌を確実に殺菌し、症状の改善と合併症の予防を目指します。どのような薬が使われ、どのような副作用に注意すべきなのでしょうか。溶連菌感染症の治療に最も一般的に用いられる抗菌薬は、ペニシリン系の薬剤です。アモキシシリンなどが代表的で、効果が高く、比較的安全性が高いとされています。ただし、ペニシリンアレルギーのある方には使用できません。ペニシリンアレルギーがある場合や、ペニシリン系の薬が効きにくい場合には、セフェム系やマクロライド系といった他の系統の抗菌薬が選択されます。例えば、セフジニルやクラリスロマイシン、アジスロマイシンなどが用いられることがあります。医師は、患者さんの状態やアレルギー歴、地域の薬剤耐性菌の状況などを考慮して、最適な抗菌薬を選択します。処方された抗菌薬は、症状が改善したからといって自己判断で中断せず、必ず指示された期間(通常は十日間程度、薬剤によってはそれより短い場合もあります)を最後まで飲み切ることが非常に重要です。途中でやめてしまうと、菌が完全に死滅せずに再発したり、リウマチ熱や急性糸球体腎炎といった重大な合併症を引き起こすリスクが高まったりします。また、薬剤耐性菌を生み出す原因にもなりかねません。抗菌薬の副作用としては、下痢や軟便、吐き気、腹痛といった消化器症状が比較的よく見られます。これらの症状は、腸内細菌のバランスが崩れることによって起こることが多いです。また、薬疹(皮膚に発疹が出る)や、稀にアナフィラキシーショックといった重篤なアレルギー反応が起こることもあります。もし、薬を服用中に何らかの異常を感じた場合は、すぐに服用を中止し、処方した医師または薬剤師に相談するようにしましょう。また、症状を和らげるために、解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンやイブプロフェンなど)や、喉の炎症を抑える薬、うがい薬などが併用されることもあります。