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リウマチ治療の副作用とつきあい方
関節リウマチの治療に用いられる薬は、病気の進行を抑え、症状を改善する上で非常に有効ですが、一方で副作用が現れる可能性も否定できません。治療を安全かつ効果的に続けるためには、起こりうる副作用について正しく理解し、適切に対処していくことが大切です。まず、リウマチ治療の第一選択薬であるメトトレキサート(MTX)では、吐き気や食欲不振、口内炎といった消化器症状、肝機能障害、骨髄抑制(白血球や血小板の減少など)、間質性肺炎などが主な副作用として挙げられます。これらの副作用を予防・軽減するために、葉酸製剤が併用されたり、定期的な血液検査や胸部レントゲン検査が行われたりします。生物学的製剤やJAK阻害薬といった新しいタイプの薬剤は、高い治療効果が期待できる反面、免疫の働きを抑える作用があるため、感染症(肺炎、結核、帯状疱疹など)のリスクが高まることが知られています。そのため、治療開始前には感染症のスクリーニング検査が行われ、治療中も感染症の兆候(発熱、咳、だるさなど)に注意が必要です。また、生物学的製剤では注射部位反応(赤みや腫れ、痛みなど)、JAK阻害薬では肝機能障害や脂質異常症、血栓症などが報告されています。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、痛みを和らげる効果がありますが、胃腸障害(胃痛、胃潰瘍など)や腎機能障害といった副作用に注意が必要です。ステロイド薬は、強力な抗炎症作用がありますが、長期間使用すると、感染症にかかりやすくなる、糖尿病、高血圧、骨粗しょう症、満月様顔貌(ムーンフェイス)、中心性肥満といった様々な副作用が現れる可能性があります。これらの副作用と上手につきあっていくためには、まず、医師から処方された薬の用法・用量を必ず守ることが基本です。自己判断で薬の量を増やしたり減らしたり、中止したりしないようにしましょう。そして、定期的な検査と診察を受け、副作用の早期発見に努めることが重要です。もし、治療中に何か気になる症状が現れた場合は、遠慮せずに速やかに医師や薬剤師に相談してください。副作用の多くは、早期発見と適切な対処によって、重篤化を防ぐことができます。