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2025年9月
  • アルコール性蕁麻疹肝臓への負担が原因?

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    お酒を飲んだ後、あるいは飲んでいる最中に、皮膚にかゆみを伴う赤い膨らみ(膨疹:ぼうしん)が現れる…。これは、「アルコール性蕁麻疹」と呼ばれる症状の可能性があります。アルコール性蕁麻疹の原因は一つではなく、いくつかのメカニズムが考えられていますが、その中には肝臓への負担が間接的に関わっているケースも否定できません。まず、アルコールそのものや、アルコールの代謝過程で生成されるアセトアルデヒドが、直接的に皮膚の血管に作用し、血管透過性を亢進させたり、ヒスタミンなどの化学伝達物質の遊離を促したりすることで、蕁麻疹を引き起こすことがあります。これは、アレルギー反応とは異なる、非アレルギー性のメカニズムです。特に、アセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱い人(お酒に弱い体質の人)は、アセトアルデヒドが体内に蓄積しやすく、症状が出やすい傾向があります。また、アルコールには血管拡張作用があるため、元々蕁麻疹が出やすい体質の人や、他の原因で蕁麻疹が起きかけている場合に、アルコールを摂取することで症状が悪化したり、顕在化したりすることがあります。そして、肝臓への負担との関連ですが、日常的に過度の飲酒を続けていると、肝臓はアルコールの分解・解毒作業に追われ、疲弊していきます。肝機能が低下すると、体内のヒスタミンなどの物質を分解する能力が落ちたり、免疫バランスが崩れたりして、蕁麻疹が起こりやすい状態になる可能性があります。つまり、アルコールそのものの作用に加えて、慢性的なアルコール摂取による肝臓への負担が、間接的に蕁麻疹の発症や悪化に関与していると考えられるのです。さらに、アルコール飲料に含まれる**添加物(保存料、着色料など)や、一緒に食べるおつまみ(チーズ、ナッツ、甲殻類など)**がアレルゲンとなって、アレルギー性の蕁麻疹を引き起こすこともあります。飲酒後に蕁麻疹が出る場合は、アルコールの種類や量、そして体調などを記録し、原因を特定する手がかりにすると良いでしょう。